WITH...ME


「この前の事件も酷かったじゃないですか、ほら、あの――学校での籠城事件……あれは残酷だった」


「それよりも酷いのが、駅構内でガソリンを撒いてってヤツですよ。とても正気の沙汰とは思えません」




彼らの言っている通り、近年、未成年の犯罪――それも軽いものではない、残酷で残虐な事件が連なって起きていた。


「警察のほうも裁ききれないみたいで、この前なんてもおよそ1000人の囚人達が脱獄を謀ったそうですよ。なんとか食い止めたみたいですが、被害はそうとう酷いようで……」


それから、この議論は数時間に及んで続けられた。

やがて彼らはひとしきり自分が訴えたい事を吐き終えたのか、沈黙が訪れた。




そして、一番権利のありそうな、おそらくこの場を、この組織を取り仕切っているだろう人物が、ひとつ、大きく咳払いをし、周りの視線を集める。






「――やはり、なんとかしなくてはならないな」






一人、この場では唯一の女性が紅茶を一口啜った。



「そうですね。このまま話していても埒があきませんし……ひとつ、決断をしてみてはいかがでしょう?」


「決断……だと?」




「ええ。おそらく……皆様も分かっているでしょう?」


女性は、片手の紅茶のカップを静かに置き、そして――妖艶な笑顔を浮かべた。








「子供の数を減らす方法を、ですよ――」








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