氷の上のプリンセス

ハプニング


歓迎会は、軽いお茶会みたいな雰囲気だった。


部員全員が集まり、オードブルやいろんな種類の可愛いプチケーキが並べられていた。


新入生で歓迎される側の私は、特に役割とかはなくって、池ちゃんと一緒にプチケーキを食べたり、ジュースを飲んだりしておしゃべりをしていた。


「実莉ちゃん。私、ちょっと中学の時からの先輩のとこに行ってくるね。」


『うん!わかったよー。』


池ちゃんが行ってしまい、一人になった私は、
ちょっぴり寂しくなって誰か一人でいるような人はいないかキョロキョロしてしまう。


見える範囲には、誰もおらず、みんな小さな塊を作って談笑している。


仕方なく、本日何個目になるかわからないプチケーキを見る。


まだまだいっぱいあるケーキを吟味してひとつのケーキに目が定まった。


紫色の粒がのっていて上がババロアのケーキは、きっとブルーベリー系に違いない。


手が届く前に、目標物であったケーキが誰かの手に持っていかれてしまった。


『あっ!!』


とっさに声がでてしまった。


「あっ、何?これ欲しかったの?」


意地悪く言ってのけたのは、やっぱり真君だった。


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