うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]






確かに、普通に見かけるスズメバチじゃないな。
倍はある大きさだし、今の張り手でも、それほど堪えてはいまい。
やはり、侮れない。




「テメェ!リーダーに何しやがった!」

突然、左回りに姿を消したリーダーに驚いたスパオオBが、隊長に迫る!



「おっと!彼にはジェネシスへの伝言を頼んだだけさ!でも、君達には本当に消えてもらうよっ!」

そう答えた隊長は、スパオオの群の中へ!



と、目にも止まらぬ速さで、スパオオの群の中を、上へ下へと切り返している!

おっと~、次々と落下してゆくスパオオ達!



恐るべし隊長。




彼が、パシり隊と暇つぶしに習得した必殺技!



「アンぱんち」

「アンきっく」



スパオオの後頭部と顎を、確実に捕らえている!

顎は完全に砕け、おそらく自力で生きていく事は困難だろう。

しかし、後頭部への攻撃では、脳震とうをおこすのが精一杯のようだ。




隊長の両手両足では数え切れないほどのスパオオを、叩き落としながら攻撃部位を変えてみる。

首筋が一番効果的なことはわかった。
が、高速で移動しながらでは、確実に捕らえるのは難しいのだ。

しかも、一撃必殺を狙うのは、精神的に疲れる。

やっぱり、顎と後頭部に攻撃部位を絞って、トドメをミツバチ達に任せるっていう方法が、確実だな~(笑)


隊長?(笑)って?

それに、途中戦闘機になったりして、お遊びが過ぎるんじゃないですか?





隊長が、パシり隊と社員達のための作戦を考えている間に、スパオオ二千体は大方地面に落ち、一割ほどのスパオオが逃げた。






「疲れた~、もういいかな~?」




隊長が動きを緩めた時は既に、辺りは落日の鮮やかなオレンジ色に包まれていた。










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