ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
三章/彼等には結界の意味がない
 クルルはチェストと妹を探していた。

 鸚哥のピアが二人を先導し、神官領域バロックスの入口で困ったように旋回する。

 バロックスの入口は封鎖され、頼みの水路も政府軍の指示で塞がれていた。

 この分では他のゲートも同じだろうと見切りを付けて、先に進もうとする鸚哥のピアをチェストが口笛で呼んだ。

 ピアがチェストの肩を宿り木にして止まる。

「参ったっすね」

「ああ、他に道は無かったか、やっぱ、上からか」

 クルルが、壁を見上げた。

 壁の高さは、三階建ての家ほどある。縄を使って、上るにも一苦労だった。

「式紙をでかくできればな」

「無理っすよ。
 俺っちその道の指導は受けてないっす」

「俺も、式紙作っても、混合生物作るのがやっとだ」

 どちらともなく溜め息を吐いて、ピアを眺めるが、ピアを創り出したブギルが居ないため、代わりにサイズを膨らませることもできずに、苦笑いを浮かべた。

 式紙にもいろいろとランクは存在する。

 大抵、式紙はひとり一匹を限度として存在し、式紙使いとしてのカリキュラムか独自の指導を受けることで、術者の精神力と種力と呼ばれる未知なる力の源が尽きるまで増幅や改良ができるようになるのである。
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