ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編
 PCグリンティは、神官側の最高峰と言われる管理システム搭載のパーソナルコンピューターで、政府側が所持する世界最高峰PCイリスと機能面に於いてのライバルコンピューターに当たる。

 ラッドサンド大陸の町や島や区域にはそれぞれ、管理プログラムを内蔵されたPCが設けられており、一日中資料を引き出すことができるようにされている。

 PCイリスとPCグリンティに共通するのは、内容を保存する為の容量(キャパシティ)が無限大に広がると言うことと、書き換えに非常に時間を要するということであった。

 そのグリンティの姉妹PCハピネスとは、グリンティを補佐するプログラムを持つPCである。

 西国のサージにあると言う噂を聞いてはいたが、その実体は神官側の禁則事項であった。

「一度、研修で此処に来た時、抜け出して妹を探してた時に見つけたんだ」

 驚くチェストにクルルは言い、灰色の煙突がある工場を指差した。

「あそこに向かってるんだと思う。
 その雀と鸚哥」

 ゲートから歩いて結構な時は流れていた。

 太陽に雲が掛かり、寒い風が砂埃を空に舞わして通り過ぎる。

 敵も、三人のことに気づかないわけがない。
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