最後の夏-ここに君がいたこと-
大きいサンダルが、足から離れようとガポガポする。

煩わしくなって、道端に脱ぎ捨てた。

捨てられたサンダルに気が付いた陸が慌てた様子で怒鳴る。


「お前裸足だろうが!!」


足の裏にごつごつした小石があたって痛い。

でも、サンダルを脱いだ方がずっと走りやすくなった。


「急がなきゃ……もっと早く走らなきゃ……」


裏山の蝉達が夏の終わりを知らせるように鳴き続けている。

急がないと……。

早くしないと……夏が終わる……。

そうしたら、悠太にもう二度と逢えない……。




「お願い、間に合って」





< 307 / 350 >

この作品をシェア

pagetop