愛のない世界
一度死ぬ思いをした、彩香。


にもかかわらず、あの事件後も変わらずに今も尚、危ない夜の街を彷徨い続けていたのだ…。


「私は、どこまで懲りないんだ…」
彩香は呟きながら、フフッと笑った。


薄暗い部屋の中で、一人で笑った。


次第に笑い声は、大きな声へと変わりいつの間にか大声を上げ、一人、狂った様にいつまでもいつまでも笑っていた、彩香。



彩香は、壊れる寸前だった…。






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