優しい雨
病院で
水曜日、いつものように私は夫の着替え持ち、途中のコンビニでプリンを買って、駅から病院までの道を歩いていた。

彼と偶然会った神社の前の道に差し掛かると、あの日私の呼びかけに驚いて振り向いた彼の顔を思い出して胸が締付けられる。

彼の部屋で過ごした日曜日、私との恋愛が不倫であっても、彼にはいい加減な気持ちなど少しもないことを知った。

それなのに私は辛い現実から逃避したいがために、彼と付き合っているようなことを言ってしまった。



彼はそれでも構わないと言ったが、傷つけてしまったのではないだろうか?




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