ほっとちょこれーと *【完】


「だぁから俺が幸せにするの。その子が好きなやつとくっつけるよーにちゃんと頑張ってんだよ」



「いいやつだな お前」




泣ける話

なんかますます伊吹先輩とかぶる。


心結先輩に自分の気持ちちゃんと伝えられたのは伊吹先輩の存在があったから。


まぁ……結局俺には理解できないけど。



「郁哉にも幸せになってほしいよ」



ボソッと呟く。



「誰目線だよって話」



郁哉はそう言って笑った。

諦めて別の女を作ればいい?

俺はやったよ。

でもできなかった…

諦めきれなかったんだ。



先輩じゃなきゃだめだった。

だから、諦めないで心結先輩を追いかけようって思ったんだ。


んでまぁ

今に至るのさ。


諦めなかったもん勝ちだよな。




「なぁ 結城、3年生の校舎行ってくるわ」

「おう」




武宮に短く答える。

八嶋先輩のとこいくのかな?




「ついてかねぇで大丈夫なの?」

「うん」



1人で行かせるよ。

今俺が何言っても無駄だろーし…




「じゃあ俺らは文化祭の練習しよーぜ」

「おう」



あいつがどう絡んでても八嶋先輩たちが別れたのは本人らの意志だろ?


< 131 / 300 >

この作品をシェア

pagetop