ほっとちょこれーと *【完】

「じゃあ また部活でね 心結先輩」

「え?……あぁ」



それ以上

特に何をされるわけでもなく

翼君はあたしから離れた。


やっぱりからかわれただけ?



「部活 休まないでくださいね」

「うん」



別に休むつもりないけどなんで?

怪訝な顔をしてると翼君はクスクスと笑って、屋上の階段を降りていった。


「やば 授業始まる」



チャイムがなり始めてることに気づいて

あたしは慌てて荷物をまとめる。

次は確か……現代文

まぁ

藍田先生だから遅れてもいいんだけど

小走りで屋上をあとにした。


「おい 心結」

「ごめんなさい」


やっぱり遅れたあたし


「お前ちょっとトイレで顔洗ってこい」

「え?」


藍田先生はあたしの背中を押した。


「ちょっと遅れたくらいじゃん!!」

「いいから」


あたしは渋々トイレへ


「………。」


鏡にうつる自分を見て愕然


「翼君の……馬鹿!!」


首には大きなキスマーク


恥ずかしくて人前でれない……


「あっ」


翼君のある言葉を思い出す。


『部活 休まないでくださいね』


そういうことか……

わざとかよ!!
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