ほっとちょこれーと *【完】


やばぁ…キレるとこ間違えた。


「ぶっちゃけ先輩は俺のことどう思ってんの?」


「……え」



下を向いてた翼君が顔をあげて真っ直ぐあたしを見る。



「はっきりしないのは心結先輩じゃん。いろんな人弄んでんのは先輩じゃんか!!」



ぐさっ


「………。」


「鈍感なのは仕方ないよ。だけどさ俺はちゃんと伝えてるよ。伝えてるんだっつの!目の前に見えてることくらい、はぐらかさないでちゃんと向き合ってよ」



ぐさぐさっ


「………。」


なにも言えない。



「じゃあ 失礼します」



翼君はそう言うとあたしを1人残して



「な……なによぅ」



すたすた歩いていった。



「び……びっくりしたぁ」



腰抜けるかと思った。


逆ギレもいいとこだよ…

てかあんなに感情的な翼君はじめてみた。



『俺はちゃんと伝えてるよ』


たしかに……翼君はいつも真っ直ぐ好きって言ってくれるの

しっかり伝わってるよ。




なのにあたしは…逃げてるのかも。

翼君からも要君からも自分のキモチからも?



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