【短】スペアリブ
−忘−
「あれ?あんな所にカップ置いたっけ?」
町田美雪(まちだみゆき)は出窓に置いてあるカップを見ながらつぶやいた。



首を傾げながら飲みかけの珈琲が入ったカップを手に持ち、キッチンへ向かった。



キッチンへのドアを開けようと、ドアに手をかけた。


一瞬、



頭の中を何かがよぎった気がした。



しかし、手はドアノブを回して奥へと押し開いていた。



スン、スンスン



視覚よりも先に、嗅覚が反応し、脳にある感情が生まれた。
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