フレテ
・・・・・・・気の利いた台詞なんて言えない
「大丈夫だよ」なんてヘンな励ましもできない
俺は何も言えなくて何も出来ない
馬鹿なヤツだけど
「・・・・・・・・俺がいるよ」
ありきたりの言葉と体温で
安心させてあげる
嫌いになんかなれるわけないのに
もうそんなの手遅れなのにさ
こんなにも好きなのに
「・・・・・・・・・・桐・・・」
「ん?」
「・・・・ありがとう・・・」
柚の小さな声が聞こえた