白い鼓動灰色の微熱
まあ、それくらい大したことではない。
 
小さいってほどの身長じゃないし、何と言ってもその高くはない身長を補って余りあるほどの整った綺麗な顔をしている。
 
男にしては白い肌に、綺麗に通った鼻筋。
 
大きくて綺麗に切れ上がった目。
 
そのパーツが絶妙に配置されていて、彼を美形と形容していいだけの雰囲気を持たせている。
 
ステージの上の彼に釘付けになっている客達が、パラパラと彩世に気付いて、こちらを見た。
 
やがてそれは小さなどよめきになり、ほとんどの客を、何事かと振り返させた。
 
その視線の先に、彩世を見つけて、驚いて、ステージの上の彩人をもう一度確かめるように見る。
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