白い鼓動灰色の微熱

三体目の参事


「三体目、ですね」
 
清水はデスクで今しがた届けられた写真と、過去の二件の殺しの写真を見比べている大塚刑事に言った。

「殺し方は微妙に変わっているな。一人目は心臓を二人目と三人目は首筋を、アイスピックで一突きだ。そして一人目と二人目だけ手首を切られている。これでも同じ人間の犯行なのか?」

清水は、疑いをたっぷりと含んで言う大塚刑事を、ニラみかえした。

「殺人鬼は学習するんです。一人目のとき、おそらく大量に血が出たんでしょう。それの後始末をするのが大変だった。だから、心臓を一突きにするのをやめて、アイスピックも抜くのをやめた。止血栓になりますからね」

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