Anniversary.

スタートライン。

――― ガチャンッ!


図書館のドアが開いた。

ハジメが来たんだっっ。



「蒼衣に…… 夏帆もいるじゃん。 勉強か?」


「夏帆の期末テストの結果が壊滅的だったから」


「あー、夏帆のか……。 夏帆の点数は壊滅的だったんだってな、蒼衣に聞いたよ」


ハジメと蒼衣先輩が…… 仲良く話している。

ハジメが…… “夏帆”って、女の子を呼んでいる。


“リカ”

ハジメが名前で呼ぶのってあたしだけじゃ無いんだ。



「ハジメは何しに来たんだ? わざわざ制服なんて着て」


ハジメは制服なの? 卒業したのにわざわざ制服で来たの?


「リカがさ、来ているんだわ。 だから、それの迎え」


あたしは図書館の奥の、日当たりの良い場所にいる。

蒼衣先輩たちは、出入り口付近。


だから、蒼衣先輩たちからは見えない。


「リカちゃん? どこにいる? 俺らが来たときは居なかったぞ」





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