今でもあなたを愛してる


「それじゃぁ…恒例の自己紹介といこう。はじめは…阿部。」

「はい。俺は――」

出席番号順に自己紹介をしていく。

そして…

「次…斎藤。」

「はい。…名前は斎藤美咲です。趣味は音楽鑑賞と歌を歌うこと。好きな食べ物は甘いもので嫌いな食べ物は苦いものや辛いものです。よろしくお願いします。」

第一印象は大事であろうと思い、営業スマイルで乗り切った。

(ひきつってなかったかな…)

そんなことを思いながら席についた。


―――――――

自己紹介も終わり、ここからはオリエンテーション。

教科書などを受け取り、ただただ話を聞くだけのつまらない時間だ。


(……眠い…)

必死に睡魔と戦っていると、後ろから何かで突かれた。

(……?)

振り向くとそこには、満面の笑みで美咲をみる男の子がいた。

自己紹介をまともに聞いていなかった美咲は困った。

「えっと…」

「俺、菅谷悠斗(スガヤユウト)。よろしくな!!」

何とも可愛らしい笑顔の男の子だ。

「あっ…。私は――」

「斎藤美咲だろ?さっき自己紹介したじゃん。お前起きてたか?」

「あっ…うん。一応。ただぼぉ~っとしてて…。」

「お前面白い奴だな。」

「そうかなぁ。」

そんな他愛もない話をしていると

「そこ!!私語は慎め!!!」

「「すみません。」」

二人揃って叱られた。

「…わりぃ。」

「ううん。大丈夫だよ。」

―――――――――

学校初日が終了し、部活へ見学しに行く人達が教室に残っていた。

菅谷くんもそのうちの一人だ。

部活等に興味の無い美咲は
この学校に何部があるのか全くわかっていない。

帰りのバスまで時間があるため、一人教室に残っていた。

ただ外を眺めていると――


カキーン――…

吹奏楽部の楽器の音に混ざって
何とも心地好い金属音が聞こえてきた。

(何だろう…。)

席を立ち、音のする方を見てみるとそこには―…


カキーン――…

白球を追いかける人達がいた。


< 3 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop