~your Love story~

ドアが開いて、すごい勢いで1人の男子が入ってきた。

サラサラした黒髪にパッチリした瞳。

小さく高めの鼻と可愛らしい小さな唇。

そのベビーフェイスのアイドル顔は……


――浅香直斗!


「先生、かくまって! 」


そう言って私の座るベッドに視線が来た。

バチッと目が合って、思わず硬直する。

直視した事なかったけど、やっぱり美形だわ。


「あんまり見ない顔だな。君、名前何て言うの?」


話しかけられるなんて予想外で、妙に緊張する。


「菅谷 麻里也ちゃんよ。珍しいわね、浅香くんが女の子の名前聞くなんて 」


先生がニヤニヤとしながら私を見てる。

えっ、そうなの?///

心なしか、頬が赤く染まる。


「別に、特に意味なんかないけど 」


視線を反らすと、端にある隣のベッドへ潜り込んだ。


廊下では、女の子たちが浅香くんを探す声が響いている。


「毎日毎日、大変ね 」


先生は綿球を補充しながら、眉を上げた。


まだ、少しドキドキしてる。

この胸の熱さは何なんだろう。




《11へ》

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