ティアラ2
ドアを閉めるときも、エレベーターを呼ぶときも、手ぶりは荒々しくて。エレベーターの中、1階のボタンはもう光っているのに、あたしは何度も「1」を押し続けていた。
そんなふうになっているのは身勝手な透吾に対する怒りからでもあったけれど、それだけじゃなく、篤紀への苛立ちとあの子の豹変ぶりに対する悔しさ……そして、捨てられた自分を情けなく思う気持ちからでもあった。
「ふんっ。撮影撮影って言うなら、とっとと始めなさいよ! 自分のせいで遅くなってるくせに!」
オートロックが解除されたドアを両手で押しながら、ブツブツ文句をもらす。てっきり、いつもみたいに帰りも送ってくれると思いこんでたから、ひとりで帰らなきゃいけなくなってイライラも募る。
雲に覆われた月。見上げても星なんか見えなくて、あたしは憂鬱な気分を払いのけるように大きくため息をついた。そのとき、だ……。
そんなふうになっているのは身勝手な透吾に対する怒りからでもあったけれど、それだけじゃなく、篤紀への苛立ちとあの子の豹変ぶりに対する悔しさ……そして、捨てられた自分を情けなく思う気持ちからでもあった。
「ふんっ。撮影撮影って言うなら、とっとと始めなさいよ! 自分のせいで遅くなってるくせに!」
オートロックが解除されたドアを両手で押しながら、ブツブツ文句をもらす。てっきり、いつもみたいに帰りも送ってくれると思いこんでたから、ひとりで帰らなきゃいけなくなってイライラも募る。
雲に覆われた月。見上げても星なんか見えなくて、あたしは憂鬱な気分を払いのけるように大きくため息をついた。そのとき、だ……。