ティアラ2
それだけじゃない。発売日はもう決まっていると、前に聞いたことがある。もしかしたら、吉永さんたちも困っていたのかもしれない。

そして、こんなふうに怒るほど透吾も……。

「ごめんなさい」
謝っても許されることじゃないけれど、どうすればいいのかもわからなくて、また同じ言葉を告げた。

あたしをジッと睨んでいた彼は、呆れたというかのように座椅子にもたれ、深いため息をついた。

「言ったよな、俺は今回の写真集にかけてるって。……あいつらも同じ気持ちなんだよ。みんな、この仕事に気合い入れてんだ」

話を聞きながら、いま着ている服を見下ろした。毎日毎日、しわになったところをアイロンでなおしていた陽子さん。
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