ティアラ2
「…………」
何を言えばいいのかわからなくなった。頭の中が真っ白になる。

口ごもるあたしを見捨てるみたいにして、篤紀はまた歩き出す。

離れていく背中。

そんな簡単に終われるものなの?
「……だよ」
なんでそんな簡単に嫌いになっちゃうの?
「…………よ篤紀」

“変わってないなら伝えるべきだよ。避けられていても嫌われていても、好きなんだったらそう言えばいいじゃん”

「……やだよ! 待って篤紀!」

“このままだと、何もしなかったこと後悔するんじゃね?”

怖いけど走った。
走って、篤紀の腕にしがみつく。
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