ティアラ2
本当はモデルになりたかったんじゃないの?

「篤紀を好きってのは本当で、透吾への気持ちはもう冷めていた」という線もある。

でも「選ばれる」って言葉は、モデルになったあたしへのものだと考えたほうがシックリくる。彼女は聖葉学園には通ってないし、ずっと前から篤紀と付き合ってる相手に……そんな言葉を使うかな?

頭の中のパズル。散らばっていたピースは次々と合わさり、それと同時に、彼女の本心がじわじわと見えてくる。

最後のピースは、あたしの質問に答えた透吾の言葉。

「ああ、ないない。まぁ……やりたいって言ってきたことはあったけれど、俺は仕事に自分の女は使わないってポリシーを持ってるから」

空いていた枠にピッタリとハマる、1枚のピース。
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