元気あげます!

学校でもツリーが飾られ、クリスマスの話題でもちきりな日が続いていました。

「ねぇねぇ、ひかるはクリスマスの予定とか決めてるの?」


「それが・・・・・((いえないよぉ。試験勉強の後で死んでるなんて。))私はほら、苦学生だから、年末で仕事が忙しくって、クリスマスどころじゃないんだよね。あはは」


「そっかぁ、大変だね。1日くらいお休みもらえたらいいのに。
私たちみんなで、お屋敷に乗り込んでって、ひかるの休日を勝ち取りにいってあげようか。」


「あ、それはやめた方がいいよ。番犬もいるしさ、あとでみんなのクリスマスの話を聞かせてくれればうれしいよ。」


「ひかる、かわいそう。・・・プレゼントは絶対あげるから、くじけないでね。」


「ありがとう。ハコちゃん、みんなぁ~~」



ひかるは優しい友達の言葉に感謝して、それから毎日、仕事もバリバリこなして、千裕の課題、問題集をどんどん片付けて、がんばっていました。





期末テストの前々夜のこと、ひかるは淳裕の書斎にお茶を運ぶと、淳裕にクリスマスのことを質問されました。


「試験も終わった後なら、楽しめるんでしょ。
僕とダンスパーティなんか行ってみる気ない?」


「え・・・私ダンスなんてできないし、ダメですよ。
試験の疲れが出て、たぶん寝てそうだし・・・。」


「疲れてるなら、おいしいものでも食べにいって、そのあと僕がリラックスさせてあげようか。」


「あの、すみません。試験のことで頭がいっぱいなので私・・・あっ・・・淳裕さん。
なっ・・・」


淳裕はひかるの背後からひかるを抱きしめると、耳元でささやきました。


「試験の前だから、こういうことはしちゃいけないんだろうけど、大人の社会勉強だってもうやってもいいお年頃だと思うよ。千裕は勉強しか教えてくれないでしょ?」


「あの・・・離してください。困ります・・・。」


「どうしようかなぁ・・・離してあげてもいいけど、かわいいしなぁ。」
< 32 / 143 >

この作品をシェア

pagetop