元気あげます!
「意味がないって・・・?」


「簡単な理由さ、追いかけて行くに決まってるから。あははは。
ねぇ、ひかるちゃん。もっと千裕を信用してやってくれないかな。」


「信用してますよ。ただ・・・私のせいでご迷惑をかけるのだけは・・・」


「それそれ・・・。それって、けっこう男にはきついんだよねぇ。
男は好きな女を何が何でも幸せにしたい!って気力奮い立たせてがんばってるのにさ、私がいたら迷惑でしょって去っていかれでもしたら、どうすればいいんだろね。

明日から何を目標にがんばって、何と戦えばいいのか、ほんとにわからなくなる。

僕も幸恵がひかるちゃんじゃないけど、私とあなたとは進む道が違うからって言ってた頃はすごくつらかった。」


「幸恵さんも・・・?」


「うん。ひかるちゃんが千裕と手をつないで走ってきた姿見て、決心してくれたんだ。
僕を信じるって。
僕はこれから親父とおふくろを説き伏せるよ。絶対に。

どこかの令嬢でないと・・・なんていうしきたりもつぶす。
だから、ひかるちゃん安心して。
僕と千裕を信じてくれないかな。

礼を言うのは僕の方でもあるんだからね。
幸恵と僕に元気をくれてありがとう。」




その後、後片付けを済ませた幸恵とひかるは、高田が今日はもうくつろいでいいと言ったので、いっしょにお風呂に入りました。


「やっぱりお屋敷のお風呂って広いわね。
広さだけなら銭湯の方があるかもしれないけど・・・うふっ。」


「裕樹様からききましたよ。幸恵さんも裕樹さんとの交際で悩んでたんですね。」


「だって、これほど・・・ううん、もっとすごい大きな組織の跡取り息子なのよ。
しかも、長男だもの・・・。私なんて勤まりっこないわ。
私もひかるちゃんと同じで、市役所勤めの裕樹さんでいいのよ。

でも、そうもいかなくて・・・。
昨日、千裕様から電話もらって、しばらくお話したのよ。
千裕様ってやっぱり千裕様なのよね。」


「はぁ?千裕様はもとから千裕様ですけど・・・」


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