ライラックの咲く頃
私たちは午後の授業を全部さぼってミントの話をした。
「ん~、そのミント?って男はさぁ、多分本当にただの家出だと思うよ?別に怪しくないと思うけど、もう泊めない方が私はいいと思う。」
由香は黙って私の話を聞いて、アドバイスをくれた。
「………うん。私、学校行くとき、帰ってくる前に私の家出てって言ったんだけどさ……。」
「出ていくわけないじゃん。きっとまだ愛莉の家にいると思う。」
「だよね……。」
「まぁ、なんかあったら電話でもなんでもしてよ。今日、私塾あっていけないけど、明日にでも愛莉の家にいってあげるから。」
「うん。ありがと……。ごめんね。さぼらせちゃって。」
由香は少しキョトンとした。私が嫌に素直だから少しびっくりしたようだ。
「ははっ礼なんか言うなよ。ちょうど私さぼりたい気分だったし。」
由香は立ち上がって背伸びをした。
言葉遣いとかは男っぽいが、由香はかなりスタイルがいい。
「じゃっ私、遅刻すっとやばいから、そろそろ行くね?」
「うん。ばいばい。」
「ばいばい。」