本当に愛おしい君の唇
第2章
    2
 パーティーが終わってから、治登が受付にいた直美に声を掛ける。


「君、名前何ていうの?」


「あたしですか?松川ですが」


「松川さんね。……失礼だけど、独身?」


「いえ。主人と子供がいます」


「人妻ってやつか?」


「ええ。実は共働きで」


「疲れない?仕事」


「そうですね。……でも、あたし、受付業務とかって慣れてるんですよ」


「俺からすれば、きつそうだけどな」


「確か小林様は株式会社ルーデルの役員を務めてらっしゃるんでしたよね?」


「ああ。一応専務だよ」

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