悪魔の刃
広いグラウンド 星司side
悪魔はなぜひどいことをする・・・?

悪魔は美咲から大切なものを奪った
記憶・・・愛・・・友情・・・希望・・・
失ったものを取り戻すことはカンタンじゃない
俺たちは悪魔に気に入られてしまったのだろうか・・・?





「星司?」
「・・・」
「星司!!」
「ん、あぁ、どうした?」
「どうした?じゃねーよ!お前、大丈夫か?」
「うん・・・まぁ・・・」

陸上部のいつもの朝練
いつもは美咲とはしゃいでいた
だけど今日は違う・・・
俺の隣に美咲はいない
狭く感じたグラウンドが今広く感じる

「よーーーい、スタート!」

短距離専門の俺と美咲
メンバーは、2年俺らで1年が3人
他の奴らに美咲が事故ったことは言っていない
だけどさすがの1年は気づいたようだ

「科野先輩!!美咲先輩がまだ来てないみたいッスけどなんかあったんすか?」
「・・・美咲は今日は来ない・・・」
「お前知らねーの?!美咲先輩、事故ったんだぜ?」
「1年!!喋ってないでグラウンド5周!!」
「は、はい!」

・・・つい強い口調で言ってしまった
辛いのは・・・俺だけじゃないのに・・・


「星司・・・」
「・・・翔・・・」

コイツは佐乃 翔 イケメンだ・・・
俺の中学からの親友で、美咲とも仲良くなった

「お前・・・あまり無茶するなよ?」
「あぁ・・・ありがとう・・・」
「元気出して!な?」
「・・・俺のことだけ・・・どうして俺のことだけ・・・」
「星司だけじゃないって!きっと・・・俺のことも忘れてるって・・・」
「俺が・・・美咲を守ってやれなかった・・・」
「星司!もうやめよう!!」
「っ!」
「俺もついていくから、もう一度美咲のとこ行こう?」
「・・・うん・・・」




俺は・・・
いい親友をもっていた
『佐乃 翔』という親友を・・・
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