My miNd




「えーと、遠矢さんは…一条君の隣の席に座ってもらいます。一条君、手を挙げて?」



手を挙げなくても分かる。

前に会ったことがあるということもあるけど、こちらを見る目が針のような鋭さがあるから。



確か学校では猫を被って大人しくしてるって言ってたし。




私は偽名の他にバレないために髪を染めたり、化粧をしたりしている。



普段、化粧は全くしないから相当変化してるし、簡単にはバレないはず。



「…じゃあ、あそこに座ってね?」



若い女性教師が、こちらを見て言う。




「……はい。」




いきなり隣の席になると思わなかったから心の準備が出来ていない。




始めは遠いところから、じっくり普段の生活を観察するつもりだったのに!!








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