【K.A】Alice in a BoX
「おい、ありす。いつまで寝てるつもりだ?」

誰かの呆れたような声がする。

「もーちょっと…」

が、布団の中が心地よくて、起きる気にならない。

「もう昼前だぜ?」

そう言って、小さな何かがぺちぺちと頬を叩いてきた。

「うぅー…」

ぎゅっと目を強く瞑り、ぷぁーと伸びをする。

「学校行かなきゃ…」

寝ぼけ眼でむくりと起き上がると、タカタカとありすの肩を1匹のネズミがかけのぼってきた。

「!?!?!?」

思わず体をビクッとふるわせる。

「やっと起きたか」

やれやれ、と頭をふるネズミを見て、ありすは昨日の出来事を思い出す。

「もしかして、チェシャ?」

ありすが恐る恐る聞いてみると、チェシャは大きく頷いた。

「昨日の今日で忘れられてたらと思ってたけど、ちゃんと覚えててくれたのか」

言われてありすは、まぁ、と頷いた。



もしかしたら夢かも、なんて思ってたけど…やっぱり現実なんだ。


喋る不思議なネズミをじっと見つめながら、そう心の中で呟いた。

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