【K.A】Alice in a BoX
「…ありす、あなたが目覚めてから、どのくらいたったか。覚えていますか?」

ふと、皆が帰ったあと、ラビーが真面目な顔をして聞いてきた。

「…覚えてるよ?今日で5日目…」

「もう残り3日しかないんですよ?」

少し焦ったふうに、ラビーが言った。

「わかってるって。1週間たったら死んじゃうっていうんでしょ?」

はいはい、と面倒くさそうに答えるありすに、ラビーはムッとした顔をする。

「本当にわかってい」
「わかってるってば!」

しつこく言ってくるラビーに、ありすもムッとした顔で叫んだ。

「突然目が覚めたら全く知らない世界で、みんないい人ばっかだけど、私の知ってる人は誰もいなくて…ひとりぼっちで…」

ありすは俯く。


違う。
こんなのただの八つ当たりだよ。


そう、心の中では思っても、口は止まらなかった。

「今度は突然、結婚しなくちゃ死んじゃうって言われて」

ぐっと拳を握りしめ、顔をあげた。

「こんなことなら、私、目が覚め…!」

言いかけたところで、口を塞がれた。


< 50 / 88 >

この作品をシェア

pagetop