【K.A】Alice in a BoX
ドアに手をかけたところで、急に勢いよく開いた。驚いたありすはそのまま目を大きく見開いていた。

「ありす、今日はなにする?」

少しだけ慌てた様子で、チェシャが家の中に入ってきた。

「何って…チェシャ、なんか変だよ」

怪訝そうにするありすに、チェシャはそんなことはないと否定する。

が。

「嘘」

ありすがピシャリと言うと、チェシャはムッとした顔でそんなことはないと言い返した。

「じゃぁなんで耳がそんなにピコピコ動いてるのよ」

数日間一緒に遊んだりして、チェシャの癖のようなものをいくつか見つけていた。その中の一つに、チェシャは緊張したりすると、耳をピコピコと動かす癖があったのだ。

「耳だってピコピコしたいときもあるだろっ」

「知らないわよ!どんなときよ、それ」

「仕方ないだろ、ラビーが魔女に…」

言いかけてしまったという顔をするチェシャ。
ありすは眉をピクリと動かした。

「魔女ってなに?ラビーがどうかしたの!?」

ありすがチェシャに掴みかかる。と、チェシャは諦めた様子でわかったよ、と呟いた。


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