【K.A】Alice in a BoX
さらっと言われたその言葉に、ありすは絶句する。

「ま、本当なら、目覚めてすぐに死んじゃう所だったんだけど、その魔法に気づいた私が、あまりにもそれは不公平だと思ったから、死ではなく、また、再び眠りにつくっていう内容に変えたのよ」

「え?そんな簡単に変えられるもんなの?」

ありすの言葉に、ツバキは苦笑しながら答えた。

「そんなに簡単なもんでもないわ。その内容に変えるために、私は家の外を自由に出歩けなくなったもの」

ツバキの言葉に、ありすは目を大きく見開いた。

「なっ!?どう言う事!?」

ありすがツバキに詰め寄ると、ツバキは小さく息を吐いて答えた。

「魔法ってね、大きな力を使おうとするときには、それに見合った対価が必要なのよ。あなたの命を救うために、私は自由と言う対価を支払っただけのこと」

さらっというツバキに、何で!とありすはさらに詰め寄った。

「私、あなたのこと知らないし、あなただって私のこと知らないはずでしょう?それなのになんで?なんでそんな私のために、そこまで…」

ありすが言うと、ツバキはけたけたと笑った。

「あら。助けてくれてありがとうってお礼を言われると思ったのに」

「あ…」

ツバキにいわれて、ありすは俯いた。

「気にしないで。確かにあなたのこと、知らないけど。私の大好きな大おばあ様に、あなたが似ていたから。だから助けただけのことよ」

にっこりと笑うツバキに、ありすは何も言えなかった。

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