【K.A】Alice in a BoX
ありすの言葉に、マッドの眉がピクリと動いた。

「なぜ、お前がそれの存在を知っている?」

「へ??」

マッドがにっこりと笑いながら(でも、目が笑っていない…)にじり寄ってくる。

「や、その…えっと」

「誰に聞いた?」

壁にドン、と背中が当たる。
逃げ場を失い、ありすはだらだらと汗を流しながら叫んだ。

「ツバキ、ツバキに教えてもらったの!」

そう、叫ぶと、マッドは一瞬、苦虫を噛み潰したような顔になった。
が。

「そうか…ならばこれを持って行くといい」

マッドは自分のかぶっていた帽子を手に取ると、まるでマジシャンのように、帽子の中からひとつの小瓶を取り出した。

「あ、ありが…」

「そのかわり」

お礼を言いかけたところでマッドがそれをさえぎる。

「必ず、後で俺のお茶会に来い。いいな?」

マッドに言われて大きくぶんぶんと頭をたてにふった。

「よし。いい子だ」

そう言うと、マッドは小瓶をありすに手渡した。

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