猫になった僕
楽しいクリスマスだけど、クリスマスになるとみんなお家を思い出す。

あおぞらのおじいちゃんや、おばあちゃんは、決まってずっと昔の、お家でのクリスマスのことを僕にお話しする。

まだまだちいちゃかった自分の子供のこと。

サンタさんが来るのを楽しみにしていたかわいいかわいい自分の子供のこと。 

枕元にそっとおいたプレゼントのこと。
次の日の朝の愛おしい笑顔のこと。

ずっとずっと昔のことだよって懐かしそうに、楽しそうに、そしてちょっと淋しそうにお話しする。
 
あんな日が返ってくればなあって。
もう一度だけ、

一日だけでいいから、
あの日にかえってみたいんだよって

キャンドルサービスのろうそくの灯は、おじいちゃんやおばあちゃんが淋しくならないように優しく暖かく照らしているみたいだった。

クリスマスが終わると、もうすぐお正月。
お家に帰れない人もたくさんいるから。

だから、みんなよけいにお家を思い出す。
だから、だからみんなよけいに昔を想い出す。

家族みんなで暖かかった。
冬のお部屋を想い出す。 

淋しくなっちゃいけないから、みんなでにぎやかにクリスマス会を開くんだね。

みんなで暖かいお家にするために、みんなで家族になるためだね。

< 22 / 39 >

この作品をシェア

pagetop