生きて。笑いたい。






しばらくその思いに浸ってから、自分の席についた。





真ん中の一番後ろ。




その左に二個進んだ所が吉濱の席だった。






あたしが昨日発作で遅れたとき


吉濱の優しさを知った。





結局皆にバレたけど、面白がって言い触らすような事はしなかった。







「…………どうして?…」






吉濱の席を見つめながら呟く。






「…どうして、あんなにあたしを見てくれたの?」






『…沢山笑って。沢山泣いて?…………独りに慣れないで…。』





あんなにあたしを分かってくれる人は。吉濱が初めてだった。





『…大丈夫。神田は生きていけいる…………。……もっともっと生きよう?…』






あたしをあんなに照らしてくれる光は。吉濱が初めてだった。







「…………吉濱…。」






こんなにも罪悪感を感じさせる人だって、吉濱が初めて。






「…………ありがとう……。」






コレほどまでに感謝できる人も。  吉濱が初めてなんだ。







「……ありがとうっ……!。」







あたしはどれだけ周りを気遣っているんだろ…。






どれだけ考え。悩み。戸惑ったんだろう。









「…あたしは、独りで平気だよ………?…。」





独りが、いい。






それが、


ずっと皆の事を考え。出た結論だった。







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