妄想*パニック
*毎朝*

私を愛おしく呼ぶ
彼の声がする―
『―ょ…うこ、よーこ…』
(あぁ、ずっとこのままで
いようかしら…
まるで白雪姫だわ…
そして、ここで
王子様のキスが降ってくる…
ハズ

そして、彼の顔が
近づいてくる気配がして―

『おい!!…はやく起きろ!
この変態女!!!』

耳元で聞こえた
ドやかましい声…
―ん?
まさか王子様が
あんなはしたない
お言葉をおっしゃる
ハズがないわっ
そうよ
私の聞き間違いよ

だって私は眠れぬ森の…

“スパーン”
今度は頭を強く叩かれた。


さすがにこれは
美女でも起きちゃうっ!

彼女は何事もなかった
ように体をおこし、
微笑みながら―
『おはようございますっ
王子様ッ!!
私を起こして
くださったのね
ありがとうございました。
それにしては
乱暴な起こし方でしたね。
スリッパはちょっと痛かったので、次は、あなたの唇がいいですわ。あ、でも、お陰で目が覚めましたわ。』
彼は答えた―
『もういっぺん永遠のお眠りにつきますか、お姫様?』
極上のスマイルで
拳をファイティングポーズに
構えながら…


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