あたしの視線の先。
何だかちょっとだけ、
胸が高鳴った。
「今終わったとこです」
「そっか、お疲れ」
佑太君はクシャッとした笑顔を向けて、
「じゃぁ」と体育館へ走って行った。
頑張ってるんだ…。
そんな事を思ってると、
「お熱いですな」
耳元で将貴(まさき)にそう言われて、
咄嗟に払いのける。
「そんなんじゃないよ!!」
将貴とは幼なじみで、
腐れ縁。
いつもこうしてからかってくる。
「お前がそんなんじゃないって思ってても、
あいつはそー思ってねぇと思うけど」
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