2人ずっとこのままで
タバコに火をつけ、フゥーと息を吸い、落ち着く。俺が吸ってるのを見て、自分も吸いたくなったのか、南もタバコに火をつけた。

静かな時間が流れる。
雲の流れと同じように…ゆっくり、ゆっくり…。



話したいことは山々あるのに、何故か口には出せない。緊張している証拠なんだけど、認めたくはない。



先に口を開いたのは南だった。



「…うちがさ何で屋上が好きなのか知ってる?」

「え?」


予想外の質問に少し驚いた。俺のキョトンとした顔を見て『やっぱりね、分かんないかぁ〜』と呟く。



はぁ〜と笑いながら、溜め息をつく南。そんな顔されたら何か腑に落ちない。



「…いや、分かるし。アレだろ?皆よく溜まるからだろ?」



そう、屋上は俺らのたまり場。その証拠にタバコの吸い殻がたくさん落ちている。

俺は自信満々に答えた。



「ぶーっ!不正解」

「マジ!?答えは?」



南の事は何でも知りたかったのに…ぶっちゃけショックだ。俺はすぐに答えを求めた。


南は、最後の煙りを深く吸い込んで、タバコを地面に捨て、火を消し、俺を見る。






「トシと初めて会った場所」

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