飛べない鳥
…fine custom。


英語が苦手な俺でもなんとなく分かる。



『美風』



これが美容院の名前─…



ここの美容院を紹介してくれたのは響だった。


髪を染めるにはここが一番いいらしい。


そう、俺が今日何故美容院に来たかというと、髪を染めるためだ。



──…ある日の放課後、俺が帰ろうとして職員室の前を通っていた時だ。


生徒指導の先生が丁度職員室から出てきた。



『おい、待ちなさい』



生徒指導の先生は俺を引き止め、俺の髪の毛を見て怒ってきた。



『何だ?その色は』



確かに、先生がこう言うのは無理もない。


なぜならば、今の髪の色は、金髪に近いオレンジ色をしていたからだ。


何回も染めていくうちに、このような色になってしまっていた。



『…………』



俺は無言のまま、指導が終わるのを待っていた。
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