星の唄
子守唄

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ヤムはだんだん大きくなって、全てを飲み込んだ。

ロノは色を失くした。


ある日。


色を失くしたはずのロノに唄が響いた。
どこからか解らない。
優しい子守唄。


色を失くしたはずのロノがまるで唄を歌うかのように色を取り戻した。


それは奇跡の唄。


黒い固まりは今まで飲み込んだトナルをつぎつぎと吐き出して。
静かに眠りについた。


子守唄を聴いて。
とても優しい夢を見ながら…


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――『星の唄』第六章より


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