Diamond devil


「これはこれは三代目。お久し振りですね。ご足労いただいて申し訳ない。…約束は守って下さったようで」



わざとらしい笑みを浮かべて権藤が言う。

確かに、ハルが仲間を連れてきた様子はない。


ハルと一瞬だけ目が合った。
その瞬間、ほんの少しだけ、ハルが安堵したように見えたのは、私のただの欲目なんだろうか。



「権藤、何のつもりだ?お前はあの時、うちの組から追放した。もう二度と顔を見せることは許さないと言ったはずだろう」


何の情も持ち合わせていないといった様子でハルが言った。

けれど、権藤は不敵に微笑む。



「そんなこと言っていいんですか?あなたの大事な婚約者とお友達はこちらの手の内にあるんですよ?」


「…2人に何をする気だ?」


「そう睨まないで下さいよ。何もしません。あなたさえ、言うことを聞いて下されば」


「…俺に、どうしろと?」

ハルがそう尋ねると、権藤はハルに一歩近づいた。


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