花の家
「それは、館花が《花人》の家だから」
香里の疑問に答えたのは、今まで、むっつりと黙りこくっていた多郎だった。
「ハナビト……?」
聞き慣れない言葉に、香里は弟の顔を見つめる。
多郎は静かに、その目を見つめ返した。
「館花は、異界の血を引いている」
何と言っていいのか、分からなかった。
だって私は、ここの世界の人間で。
あの森の広がる世界は、何だか恐ろしくて。
香里は、急に今まで生きてきた世界から、拒まれたような気になる。