かくれんぼ
白い部屋の外では、看護婦達が哀れみに満ちた眼で、少女の病室を見つめていた。

そして2人の刑事が、看護婦達に声をかけた。

「…どうですか? あの女の子の様子は?」

「変わりません…。ずっと部屋の中に『隠れて』います。いえ、見える所にいるんですけど、何を言ってもそこから動かなくて…」

「気をおかしくしてしまったんでしょうね。何せあんな事件現場を見てしまったのですから…」

数ヶ月前、一つの村で起きた殺人事件。

銀行に押し入った5人組のグループが、逃げ場としてとある村に入った。

そこで次々と村人を殺し、金品を奪って逃げた。

しかし視界が悪い山の中で、車ごと崖に転落し、全員命を落とした。

事件の唯一の生き残りは、1人の少女だけだった。

少女はかくれんぼをしていた為、犯人達に見つからなかったのだ。

しかし少女の中の時間は止まったまま…。

かくれんぼが終わるのを、待っている。
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:20

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【マカシリーズ】のキャラクター紹介
saika/著

総文字数/11,179

ホラー・オカルト63ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【マカシリーズ】をはじめて、大分経ちます。 作品数も多く、登場人物も多くなりました。 なのでこの辺りで一度、キャラクター紹介をしたいと思います。 裏話もチラホラ書いています。
2つの魔女
saika/著

総文字数/6,830

ホラー・オカルト15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
わたしの通う高校には、一人の『魔女』がいる。 『魔女』は助けを求められると、必ず助けてくれる。 けれどその反面、『魔女』を否定する者には厳しいらしい。 でも彼女は何故、『魔女』になったのだろう?
あなたは、だぁれ?
saika/著

総文字数/26,232

ホラー・オカルト81ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある日、マカが教室へ入ると、そこには見知らぬ男子生徒が1人いた。 ところが周囲の生徒達はみんな、彼のことを知っている。 だがマカ自身は、彼のことなど何一つ知らない。 この違和感を確かめるべく、同じ学校に通う魔女・リリスと共に彼のことを探り始めるのだが…。 【マカシリーズ】になります。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop