~親友という名の絆~
六年前の事故のせいで少し変形した。

それによって独特の音がなる。

だから他の鈴の音色と間違えにくい。

私の好きな音。


チリン チリン


「薫~あがったよ~」


濡れた髪をタオルで拭きながら遥がバスルームから出てきた。

「また鈴の音聞いてたんだ。」

私の掌を覗き込む。

「バスルームの中でも聞こえてたよ。小さい音の筈なのに」

「この音を聞き慣れた人には聞こえるんじやない?特別な鈴。」

不思議そうにキーホルダーに視線を注ぎ込む遥に冗談っぽく言ってみる。

「そうかもね。」

真面目な顔でそう言う遥の様子に私はクスリと笑い、バスルームに入っていった。




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