夜桜

紹介


‐夕方‐


「ただいま~」

「おかえり華恋!」


家に着くと、いつもの様にお姉ちゃんのお出迎え。


「華恋、カバンもらうよ!今日も…行くんでしょ?」


毎日毎日家に帰ってすぐ、あの神社に向かうあたしにお姉ちゃんはめげずに行くかどうか聞いてくる。



当たり前だよ…お姉ちゃん。

ごめんなさい、心配してくれてるのはわかってるの。

だけど優が居なくなってすぐのあの頃とは違う。


…こんなの、言い訳かもしれない。

強がりかもしれない。

だけどあたしは行かなきゃいけないの。


優を忘れないために…。


「うん、ありがとう!行ってくるね」

「気をつけてね」



玄関を出るとさっきまでこいでいた自転車に再びまたがり、漕ぎだした。




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