赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−



翔ちゃんは唇を噛み、下を向いた。

「出なくていい。」


前ちゃんは改めて言い聞かせるように呟いた。




「すみませんでした。」


深々と頭を下げた翔ちゃんは、前ちゃんに対してだけじゃなくて、メンバーにもこの体育館にいる皆に謝ってるみたいだった。





そのまま、部室の方に出ていってしまう翔ちゃん。

追いかけようとするファンの子達を、前ちゃんは止めた。



「今は、そっとしておけ。」




何があったのか、マネージャーの仕事をしていたあたしにはわからなくて。

前ちゃんに駆け寄った。




.
< 39 / 97 >

この作品をシェア

pagetop