赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−

レモン





もうすぐ日曜日。



初めて、ファイブプリンスが欠ける日。


あの、練習試合がやってくる。









ーーーーーーーーーーーー・・・
ーーーーーーーーー・・・





キュ、キュッ




「哲!」

パシッ

「っし。」



ダン、ダン、





「龍!」

バシッ





タン、


キュッ、


















ーーーーーーーーーーーー・・・パスッ








「っしゃー!」

「いーぞ、龍!」










そこで、前半戦終了のベルが鳴った。












「あー、負けてんねぇ。」

「・・・うん。」

「キョロ介は攻撃派じゃないからねー。」

「・・・うん。」

「S系王子さんでもいたら、いーんだけどねぇ。


・・・って、聞いてる!?」

「聞ーてる。」





そう言いながらも、見てるのは違うところで。








「まぁ、練習試合は皆味方なわけだし。
一人欠けてても勝てるでしょ!」



なんて笑う絵梨に、あたしは頷けなかった。






・・・ホントに勝てるかな。



いくら哲先輩が敵チームだとしたって。
俊先輩がいるのに、こんなにあっさり点を取られてる。








キョロ介は冷静な判断ができて。
哲先輩は瞬発力がある。
龍ちゃんは器用。
俊先輩はシュートを確実に決めてくれる。





こんなにも揃ってるのに、なんか不安が残る。








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