【長編】私とあなたは、恋をしない。
晋平は、昨日の夜言ったんだ。


『あんまりかわいくしないで。
元がいいんだから....
気に入られちゃう。』


私を抱きしめるというか抱きついた形でボソッと言ったんだ。


どうしても、秘めなきゃいけない思いがあふれ出そう。


私は、何も言えなかった。


言ったら、ダメだから。


どっちかが弱音を吐いたからと言って、お互いが弱音を吐いたらダメだから。


辛い関係なんだよ。


もう、終止符を打たなければいけない時期なのかも知れない。


そう思う反面。


まだ。


まだ、大丈夫って。



私は、晋平以外なら、瑞希がいいの。



晋平、安心して。


だから、言ったんだ。


『私、晋平の彼女的存在になってんでしょ?
なら、合コンは、引き立て役でしょ?』


それぐらいしか言えない。


なんか安っぽい言葉。


うまい言葉、言えたらいいのに。
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