Time Machine
裕太が優しくなったのは
きっと彼女さんのおかげだよね・・・
「ごめん。裕太。」
こんな言い方しかできなくて。
「もう戻っていいよ。
あたしもそのうち戻るから。」
裕太は俯いて何も言わない。
「ありがとね、本当に。」
ゆっくりかおを上げて
裕太は笑った。
「・・・おう。わかった。
気をつけろよ?」
「うん。」
「じゃあな。」
そう言って出口に向かいかけた裕太は
「あ。」と言ってあたしの方を振り返った。
「なぁ詩音。」
「なに??」
「・・・あんま溜め込むなよ。
また倒れちゃうから。」
「え??」
「話ならいつでも聞くからさ。」
それだけ告げて裕太は保健室を出て行った。
し〜ん・・・
一気に静かになった気がした。
・・・裕太は気づいてたんだ…
気づいてて
無理になにも聞いてこなかったんだ・・・