スーパーマン
あたしは吸い寄せられるように東条廉に近づいた。
『隣いいですか??』
思わず声をかける。
なんていうか、
東条廉の瞳は悲しい色で、
ほっといたら、
消えてしまいそうな気がした。
「ん??」
東条廉は力なくこちらを向いた。
振り返る姿でさえ美しい。
「別に、いいよ。」
抑揚のない声。
テレビとは違う声。
東条廉は自分の隣をポンポンと叩いた。
その姿は「ここに座れ」と言ってるようだった。